「大阪王将」の出店戦略についてコメントいたしました。
放送後内容の記事が公開されています。
https://www.fnn.jp/articles/-/181386
◇◇◇
◆「大阪王将」は、コロナ禍による影響を大きく受けて採算の悪化した「繁華街立地店舗の閉店」を進めるとともに、「在宅飲食需要」の取り込みを図るため、より住宅街に近い立地での新規出店、地域密着型の店舗出店を進めています。
「3つの視点」で出店しています。
仕事から帰ってくる「①帰着駅」であり
ある程度人の流れがある「②乗降客2~3万人」規模の駅
買い物の導線上にある「③スーパー買い回り」です。
これらを踏まえた出店戦略の結果、コロナ禍で新規に出店した店舗の売上高は伸長しています。
また、「味」にもこだわりがあります。地域や店舗毎のエリア特性を捉えた「この街の味」シリーズ、「この街を元気にする一品」を提供しています。どこか昔の元気溢れる日本を彷彿させるノスタルジックな昭和中華メニューを期間限定でお届けしています。各店舗の魅力アップを図るため、店舗ごとにメニュー構成を細かく見直すマイクロマネジメントを強化する努力をすることで、リピーター率向上に繋げています。その他、デリバリーにも対応し、地域密着型で愛される店舗作りがカギとなっています。
◆イートアンドHDの強み
「大阪王将」を手掛けるイートアンドHDの全体を見てみると、冷凍食品の「大阪王将 羽根つき餃子」を含む食品事業が売上高60%と、外食事業40%を上回る事業構造になっています。食事事業は、コロナ以前から中食・内食需要拡大の流れに乗りっていました。さらに、コロナで家での食事が増えたことで、冷凍食品は追い風となっています。外食だけに頼らない、事業ポートフォリオが同社の強みでもあります。そのため、コロナ禍で攻めのM&Aを行っています。

◆「一品香」をM&A
21年1月、イートアンドHDは「一品香」を買収。創業65年のタンメン発祥の名店で「老舗の光るブランドを生かしていきたい」とイートアンドHD担当者も述べています。このM&Aにかかる資金は、低金利で金融機関からの借入金によるものです。外食事業は業界自体が、視界不良が続くきますが、イートアンドHDは、食品事業が好調のため、融資を行う金融機関にとって安心感があるのです。
食事事業が堅調であることで、今の時期に、外食で攻めのM&Aをできたのです。買収先含めて、多くのシナジーを発揮することが期待されます。